新たな1着を着るのか、それとも長年愛用している1着を着るのか。ようはその選んだアウターは、この冬のスタイルを象徴するものになる。そこで確固たるスタイルを持つクリエイターたちに聞いた、今着たい1着。
加賀美さんは冬いつもこれを着てるイメージ(平山)
アイデアを共有しながら、これまでに共同での展示や制作を度々行ってきたこの2人。しかし、波長こそ合えど作風は異なるように、アウター観もバラバラだ。加賀美さんが選んだのは古着のN-3B。着込まれてやや中綿が薄くなり、フードのフェイクファーも潰れが出ている。「本物の軍モノにはない、この安っぽい感じが好きなんです。N-3Bはずっと着てる、冬場のユニフォームみたいなもの」と加賀美さん。一方の平山さんはコーチジャケットが冬の定番なのだそう。この日着た1着には、背中に自身のアートワークが。「僕は寒さに強いほうで、冬でもトレーナーにこれくらいで過ごすことが多いです。こういうナイロンの生地も好き。安いですし」。どちらも自身の長年のスタンダードと言えるスタイル。気の置けない間柄とは対称的に、アウターの”温度差”が縮まることはなさそうだ。
photo:Kousuke Mastuki text:Rui Konno