THE NORTH FACE PURPLE LABEL は時代の移り変わりと共に登場してきた THE NORTH FACE の名品達に、ストリートウエアのシルエット、先端の機能性、クラフトマンシップに支えられ受け継がれてきたマテリアルをブレンドすることにより、新たな感性を纏って進化したヘリテージウエアを提案。
FASHION
- 2020 SPRING & SUMMER / CLASSIC MODERN OUTDOOR STYLE
「 ROOTS OF LIFE 」
「一本の雑草、一輪の花、一羽の鳥、一尾の魚、一片の雲、一陣の風。
その全てが価値を持っている。
コンクリートで覆われ、排ガスで汚染された空気の中で暮らしながら、残された自然に気を配り、心の中に旅心を掻き立て、わずかな時を見つけては都心や郊外の自然を求め歩く。
それも立派なアウトドア・ライフだと僕は思いたい。」
これは、1984年に発刊された芦沢 一洋さんの「アーバン・アウトドア・ライフ」の一節です。
THE NORTH FACE PURPLE LABELがスタートした2003年当時、ブランドのコンセプトの参考にもなりました。
現代を生きる都市生活者である我々にとって、とても共感したメッセージとして覚えています。
2020 SPRING & SUMMER のトピックとして、「 ROOTS OF LIFE 」がリスタート。
これは2006年にスタートしたnanamicaとTHE NORTH FACEのコラボレーションプロジェクトで、「草花」と「根」の関係のように、普段我々が目にする世界の陰に隠れたその源を
グラフィック表現でクローズアップして、都市生活の中で新しい世代が自然環境を意識し、未来に安定した環境を築くことをメッセージとして発信した。
新たにスタートする今シーズンは、当時のコンセプトを伝えたくて“ WHITE & BLACK ”をテーマにしている。
カリフォルニア州ヨセミテ国立公園に咲く多肉植物の根をモチーフにしたグラフィックアートを表現したTシャツとトートバッグ。
他にはイタリアのPARA社に製作してもらったボタニカルモチーフのジャガード生地を使用したデイパックとウエストバッグ、植木鉢も収納できるトートバッグ、ハットをリリース。
THE NORTH FACE PURPLE LABELは、都市生活者が慌しい日常の中で少しでも自然を気にかけてもらえるように「私たちの生きる地球の“ 自然 ” をもっと大切にしよう」というメッセージを発信し続けている。
今シーズン、モノづくりを進めていく中でもう一つ意識したことが気の利いた機能性です。
「The journey is the reward.-旅の過程にこそ価値がある-」
これはスティーブ・ジョブズの名言の1つです。
旅は目的地に着いたという結果だけで満足しては味気ない。
旅人は、その過程で様々な場面に遭遇して、たくさんの有意義な経験をするでしょう。
そんな場面の環境が気候も良く、好天に恵まれたらラッキーですが、時には雨に打たれ、風に打たれ、暑かったり寒かったり
というようなことは誰でも1度は経験した事があると思います。
2020 SPRING & SUMMER シーズンではユーザー一人ひとりのそんな場面を想像して、快適にやり過ごすためのアイテムを提案していく。
<旅支度を始める場面で / 新しいPackシリーズの提案>
THE NORTH FACE PURPLE LABELでは定番のPack Fieldシリーズ。
旅先で機能するアイテムを旅行カバン内で整理し易く、2次利用できるようにジップ付きパックに収納しているシリーズ。
今シーズンは継続してリリースしているTシャツ、ソックス、セーターに加えて、新たにフリースとスウェットシャツを作った。
まだまだ肌寒い1月にはPack Field Fleece Crewが登場。
旅先が寒冷地である場合や空調によって寒かった時のことを考えて、吸湿発熱フリースを使用しており、デイリーに活躍するアイテム。
季節の変り目である3月には新しくスウェットシャツ2型がデビューする。
このスウェットには現存する数が少ない希少な編み機、トンプキン編み機を使用している。
重力に反して、生地を下から上へゆっくり時間をかけて編み上げることで肌当たりを柔らかく仕上げている。
ヴィンテージスウェットのような風合いで、気温の寒暖差が激しいこの時期に便利な汎用性の高いアイテム。
<極寒の都市の場面で / PERTEX® & 光電子®ダウンの提案>
「ビル風が吹き抜ける1月の極寒の都市。地下鉄から地上へ出ると痛いくらいの寒さが襲ってきます。急ぎ足で目的地である美術館へ駆け込むと、暖かい空気が体を包みホッとする。そのまま館内を歩き始めると今度はジワジワと体温が上がってきて暑さを感じる。」
こんな場面を想像して、少しロフトのある光電子®ダウンを採用したダウンカーディガンを提案。
リバーシブル仕様のこのアイテムには、PERTEX® YFUSE テクノロジーを採用した生地を使っている。
頻繁に着脱を繰り返すこのようなアイテムには、軽量で摩擦強度、耐久性に優れているPERTEX® QUANTUMが最適と考えた。
また生産の過程で破棄されたはずのリサイクル糸を原料とした素材を生地に採用し、エコを考えるアイテムにもなっている。
中綿には遠赤効果で、自分の体温を輻射することで自然な温かさが持続する光電子®ダウンを採用。
室内と屋外の寒暖差の激しいこの時期にこそ最大の機能を発揮するはずだ。
<炎天下の中で活動する場面で / Polyester Russell Mesh の提案>
夏の陽気が感じられ、暑さが本格的に立ち上がる5月には、新しい素材を採用したアクセサリーシリーズが登場。
この時期から野外の音楽フェスやイベントも増えてきて、日によっては日差しが厳しく汗ばむシーンも増えた。
そんなシーンに向けて、極太のポリエステル糸を使用したラッセルメッシュでスモールバッグとキャップのシリーズを作った。
一見ヘビーな見た目ですが、メッシュ構造なのでキャップでは通気性の良い仕様。
スモールバッグもソフトで膨らみ感があるニット生地により、傷つきやすい物を入れて落とした際にもちょっとしたクッションになっている
他には春夏の必需品であるサンダルをリリース。
クイックリリースのバックルを装備したタイプと、レザーのシャワーサンダルをモチーフに成型ニットで仕上げたスライダータイプをラインナップに加えている。
今シーズンのカラーパレットは、「 ROOTS OF LIFE 」のテーマカラーである
ホワイトとブラックをベースに、地球の大地や植物などの自然をイメージさせるアースカラーを中心に構成している。
特にマテリアルによって使い分けた様々なカーキ色がポイント。
2019FWシーズンに続いて提案するオリジナルで仕上げたカラーリップシリーズには春らしい印象を与えてくれるライムホワイトカラーを提案。
ボリュームのある新型のポンチョとコーチジャケットからは春らしい新緑の目覚めを感じることだろう。
着回しのしやすいベーシックなアイテムが多く、汎用性があり、都市生活の中で機能を発揮するアイテムがTHE NORTH FACE PURPLE LABELが考えるレイヤリングシステムであると考える。
たとえ旅先の気候や天候が快適でなかったとしても、アイテムの組み合わせによって大切な場面を快適にやり過ごすことの一助になればと思っている。
今シーズンは汎用性を備えた気の利いたアイテムと80年代から90年代を意識したクラシックなアイテムで、THE NORTH FACE らしいヘビーデューティースタイルを提案。
ノスタルジックでありモダンでもある、先端的でもありクラフト的でもある。
THE NORTH FACE PURPLE LABELのそんなハイブリッドな風を感じられるアイテムとなっている。