コンペティターとして世界を舞台に活躍し続けるプロスノーボーダー藤森由香。スノーボードクロスからスロープスタイルへ転向後も、コンペシーンで着実に実績を残し、BURTON GIRLSの一員として、ビデオパートを獲得し圧巻のフッテージを披露している。活躍の幅を広げ多くの海外遠征などで忙しく過ごす彼女は日々どんなライフスタイルを送っているのだろうか。

 

photo:Erin Hogue

 

「ここ数年は、年間を通して海外で滑っていることがほとんどです。 毎年10月にオーストリアへ行くのですが、2015年は練習のためだけに行ったので、インスブルックやザルツブルクなどにも足を運び、ヨーロッパの綺麗な街の雰囲気も味わいながら観光も楽しめました。11月からのオンシーズンに入るとアメリカ・コロラド州へ行き、12月に日本に帰ってきてからは、北海道でパウダーを堪能しています。そして、国際大会の遠征もあるので、2、 3月はまたアメリカへ。シーズンが終わる4月頃に日本へ帰ってきて、TOMBOY CAMP(今年は開催できないのですが)などのイベントも積極的に参加しています。昨年の 5月は、カナダ・ウィスラーへ撮影に行き、 FULLMOONやTRANSWORLD SNOWBOARDINGの企画にも参加させてもらったり、BURTON GIRLSの撮影にも呼んでもらえました!そのときに、アパレルのビジュアル撮影で演技をするようなカットがあって、それがすごく面白かったんです!ただ、英語が得意ではないので、コミュニケーションに少し困ってしまって ……。撮影で使う英語もそうだけど、海外ライダーたちともワイワイ盛り上がれるように、今はたくさん勉強もしています。夏〜秋のはじめ頃までは、富山・富山KINGSという施設で練習をしているんですが、昨年『大人の夏休み』というイベントをあさみ(広野あさみ)と計画して、大江光も一緒に 3人で開催したんです。富山はご飯も美味くて、自然が多い環境なので、アウトドアも楽しめるので、自分たちの生活をベースにスケジュールを組んで、朝は散歩をしたり、滝を見に行ったり、焚き火をしたり ……。私たちプロスノーボーダーの普段の生活をファンのみなさんに知って頂けた素敵な時間になりました。ファンのみなさんに応援してもらえるのがすごい活力になるので、こういう時間は大切にしていきたいと思っています。
数多く海外遠征や大会に出場するなかで、最近は経験とトレーニングを積んだこともあり、メンタルが落ちなくなったと感じることが多いのですが、昨シーズンのスイス・ラークスで行われた、EUROPEAN OPENのとき、自信があったジブで転んで予選落ちしてしまって ……。そのとき、正直すごく落ち込みました。ですが、“そんなときこそ! ”と思い立ち、近くの BA Rへ遊びに行って英語でコミュニケーションをとったら、海外の方たちと仲良くなれて、その方たちとゲレンデでフリーライディングも一緒にできたんです。そんな経験も経てヘコんだときこそ“Going out! ”という感じで外に出るようにしています。練習中も息がつまってきたら、フリーライディングで気持ちの良い風を浴びたり、日々良い状態が保てるようにコントロールしています。今はまだ圧倒的に経験値が少なくて、“このタイミングでこのワザを出せる ”という確率がまだ低いんですよね。ワザも増えたし、メイク率も上がってるし、イメージもできているから、あとは実践をこなすだけだと思っています。それから、“自分らしい滑りをする ”っていうのをすごく大事にしていて、今はジブでもっと魅せたいです。勝つことも大切だけど、カッコよくない滑りはしたくない。自分のスタイルでカッコいいって言われるのが一番だと思うし、自分にとっても一番うれしい。そんな滑りでたくさんの人をスノーボードで魅了したいですね」