いろんな2人のかたち。冬のいろんな2人。
ポーカーで言ったら、断然に弱いハンドランクのワンペア。しかし、人肌恋しくなる秋冬に沁みてくるのがペア。といっても、いろいろなペアがあったりして、それはなにも恋人たちだけのものではない。ありがたくない2人や行きがかり上、仕方のないカップルがいれば、ハートウォームなコンビだってある。冬の中のワンペアなシーンたちをご紹介。
ポーカーで言ったら、断然に弱いハンドランクのワンペア。しかし、人肌恋しくなる秋冬に沁みてくるのがペア。といっても、いろいろなペアがあったりして、それはなにも恋人たちだけのものではない。ありがたくない2人や行きがかり上、仕方のないカップルがいれば、ハートウォームなコンビだってある。冬の中のワンペアなシーンたちをご紹介。
―――ザ・ロマンティック・コメディ。
『恋人たちの予感』 アメリカ 1989年
男(ハリー)と女(サリー)の友情は存在するか。そんなことテーマにした段階で、それはもうデキちゃうってことじゃん。という身も蓋もないことをツッコミたくなる2人が食事するカッツ・デリカテッセンは、ニューヨークの新名所となった。
―――冬到来。クリスマス恋愛狂想曲。
『ラブ・アクチュアリー』 イギリス 2003年
クリスマスのラブコメの決定版。ありがちなすったもんだの果てにハッピーエンドがいくつかあって、往年の名曲でジ・エンドって感じ。それがいいんじゃないの! って主演のひとり、ヒュー・グラントも言いそうなくらいドストライクな映画。
―――5つの街のタクシードライバー。
『ナイト・オン・ザ・プラネット』 アメリカ 1991年
どんなにときが経っても色褪せないジム・ジャームッシュ監督のオムニバス映画。舞台はロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキのそれぞれの冬。どの話も面白いが、ニューヨーク編のヘルムートとヨーヨーのコンビは最高。
―――ラストは鳥肌モノの傑作映画。
『リトル・ダンサー』 イギリス 2000年
あくまでも個人的なくくりになるが、『ブラス』、『シーズンチケット』と合わせて、イギリスの炭坑町の冬空3部作のひとつ。バレエダンサーを夢見る主人公のエリオット少年と、身も心も女になりたい同級生マイケルとの友情も観どころのひとつ。
―――寒さに負けない力がみなぎってくる。
『最強のふたり』 フランス 2011年
実話を元にしているだけあって、コミカル仕立てでもグッとくる部分が多い。首から下が麻痺してしまったフィリップと介護人のドリス。冬のパリ、一面雪景色となったリュクサンブール公園でこのコンビが映し出される光景はとても美しい。
―――極寒のスカンジナビアの雪景色。
『ドラゴン・タトゥーの女』 アメリカ 2011年
こちらのつま先まで寒くて痛くなるほどに面白いミステリー作品。主人公の2人、記者ミカエルとリズベットの濡れ場は、疑似恋愛感情なのか同志的なものなのか判別がつかない。それがまた物語の猟奇的な冷たさを高めるのにひと役買っている。
―――鬼ババアと2人。絶望的な冬。
『ミザリー』 アメリカ 1990年
『スタンドバイミー』に続くタッグとなった、ホラーの大家スティーブン・キングの原作を、ロブ・ライナー監督が映画化。ジワジワと鬼ババア度を増していくキャシー・ベイツが恐ろし過ぎ。雪解けする春が待ち遠しくてひたすら祈りたくなる。
―――冬の名作ホラーにも怖いペアが。
『シャイニング』 アメリカ 1980年
冬の映画として語り継がれるスタンリー・キューブリック監督のホラー作品。ポスターにもなったジャック・ニコルソンの顔はもちろん、閉鎖された冬のホテルの廊下に立つ双子の少女など、監督の演出力がすさまじいため、恐怖が常に最高潮。
―――スタイル的冬支度にもってこい。
『スナッチ』 イギリス 2000年
ガイ・リッチー監督による軽快なストーリーに曲者キャスト陣とイカしたセリフ回し。この映画が面白い理由はたくさんあるが、なんといっても、みんな悪者だけどカッコイイ。言わば冬のスタイルサンプル目白押しというところ。冬もイカす!
※本ページは『warp MAGAZINE JAPAN』2017年12号に掲載された情報を再編集したものです。