グラフィックデザイナーとして活躍するVERDYが、身の回りで起こったコト・出会ったヒト・アートなモノを紹介していく連載のスタート。ペンを自由自在に操るように、国内外問わず自由奔放に駆け回る彼の魅力に迫る。
バンドのアルバムジャケットから、アパレルブランドとのコラボレーションなど、世界を舞台にグラフィックデザイナーとして活動するVERDY。そんな彼の活動はインスタグラムなどで見ることはできるんだけど、その素顔はあまりみんな知らないはず。そこで連載のスタートを飾る今回は、そもそもVERDYってどんな人なの? ってことに迫りたい。
「最初のきっかけは、中学のときにバンドに興味を持って、それから音楽に携わる仕事がしたいなって思ったときに、自分の好きなコトが絵を描くことだったんです。それでイラストレータを目指すことにしました」。
仕事の夢を自分の好きなことに決めたVERDY少年はその後、地元・大阪を離れて、イラストの勉強をするべく上京することに。
「大阪にいたころからイラストの勉強はしていたんだけど、このままじゃダメだって思い立って東京に出ました。そんな大阪にいたときにバンドを少ししていたので、自分のバンドや対バンした友達のバンド(MEANING)のグラフィックを描いたりしてました。そうしているうちに、少しづつMEANINGが有名になっていって、それに合わせてボクのグラフィックも広まっていってと…… 、そして今に至りグラフィックが仕事になりました」。
こうして音楽からグラフィックシーンに足を踏み入れた彼は、音楽以外にもスケートやファッションなど、青春時代を過ごした’90年代カルチャーにどっぷり浸かっていたこともあって、そっち方面の依頼も増えてきたようだ。そういえば、そもそもVERDYの名前の由来は? 「すごいしょうもないんだけど、サッカーですね。親がサッカー好きで、子どものころにいつもベルディのユニフォームばかりをめっちゃ着させられていたんですよ。それで大阪に住んでいるのに東京のチーム、ベルディのを着ていいたからVERDYってニックネームになりました(笑)」。
名前にまつわる意外なエピソードも聞けたところで、今回「BEAMS T」で行われた個展について話しを聞いてみた。「最近、着る服ってどんどんシンプルなデザインがいいみたいな風潮じゃないですか。今やMacがあれば誰でも簡単にデザインもできちゃうし。その中でグラフィックデザイナーとして、誰が見ていいと思えるモノ、なにも知らないけどかっこいいって思われるモノを作りたいと思って作ったのが、今回の”Wasted Youth”なんですよね。だから誰もが好きな”花”をモチーフに、誰もが観て触れることができるBEAMS Tでやりたかったんです。そんな作品のテーマは直訳すると”無駄な青春”になるんだけど、逆説的に捉えると”無駄なことはなにもなか
った”って意味になるんです」。
自分が抱く思いをグラフィックとして描き出すVERDY。最後に、これからどんなグラフィックを描いていきたいのだろうか。
「これからはグラフィックというよりは、意味のあるモノを創っていきたいですね。だから別に絵を描かずに文字だけでも意味があればいいし、とにかくふわっと流れてしまうような仕事はしたくないです。出すからには意味があるものをしたいです」。