幼馴染であり、北京五輪選手でもあるプロBMXレーサーGANを紹介します!
皆様こんにちは。THE クルマのフジワラです。この連載では、バンドマンとしてではなく、ひとりの探偵として、大阪のヒト・モノ・コト、そして私の敬愛するミュージシャンの紹介、美味しいごはん屋さんの調査、からくり、事件を暴いていく所存です。今の願いは"関西弁嫌い"だけは言わんといて欲しい。あ、ファンレターお待ちしてまんねん。text:フジワラ(THE クルマ)
北京五輪BMX日本代表の阪本章史選手。通称”GAN”。日本人初となる世界最高峰AAクラスまで登り詰め、出場する国内レースでは圧倒的、本場アメリカでも大活躍。さらに堺市民栄誉賞まで授かり、今もなお現役で走り続ける知る人ぞ知る、超一流トップライダー。……と、えらい肩書き持っとんな~と思いつつ真面目に紹介しておきましたが、俺にとってはただの地元の友達です。
GANとの出会いは約30年前、大阪は堺にある幼稚園。そこは当時”コマ回し”ブームの真っ只中(今で言うベイブレードやな!)、幼少期から引っ込み思案やった俺は、ママンに買い与えて貰った唯一のコマを握りしめ、やんちゃ坊主どもが取り仕切るコマ大会を輪の外から覗き込んでる群衆に埋もれとった。「俺も混ぜて貰えるんかな? 順番来るんかなぁ…… 」なんて下がり眉毛でオドオドしてたわ。
そんな中、やんちゃ坊主の一員やったGAN少年は、そんな俺に初対面よろしく「お前のコマ、めちゃ変やな」と嘲笑と一瞥をくれて立ち去った。ママンに買ってもらった俺の大事な”ブルーレット(コマの種類)”を侮辱したコイツへの印象は最悪であった。もうその1発で大っ嫌いになった!
以来、GAN=嫌な奴って印象のままにときが過ぎ、同じ小学校を卒業し、同じ中学に上がった。そのころの俺は、R&Rの洗礼を滝のように浴び、エレキギターの雷槌に撃たれ、その他の一切合切を遮断し、気付けば取り返しのつかないほど変人になっていた。GANはGANで、ここでは書けないような違うベクトルの変人へと進化を遂げていた。ともに変人っぷりだけは学年トップクラス。勉強に関してはアイタタタ……。思春期にひねくれるだけひねくれきった変人同士の距離がそのころから急速に縮まったのは、今思えば必然的。わしら中3のころやね♪
群れからはぐれて、冗談を飛ばし合い、すれ違いもし、ときにはとことんまでやったんぞ的大喧嘩もしつつ(俺をぶっ飛ばした挙句、ダメ押しにチョークスリーパーで落としたよね)、最終的にはいつもGANの稚拙なギャグで大爆笑させられてオールオッケー! というほどマイメンになってしまった……。
互いの夢や仕事にはガタガタ干渉せんと、ひたすらにどこまでもただのツレ。奴はトップライダーに、俺は名うてのロッカーになるために抱え込んでいた努力や苦悩など、吐露する暇もなくひたすら遊んで笑った。なんやかんやで今年1月、そんな腐れ縁歴30年のGANが初めて仕事について、BMXのことをじっくり話してくれた。昔から不言実行、愚痴も弱音も吐かず、誰の悪口も言わず、ひとりで矢面に立って業界を牽引してきたことくらいは俺も知ってる。そんなGANが、BMX界で新たな局面を切り開こうとしているではないか。構想&足掛け3年、自身がオーナーとなってプロBMXチームを今年から立ち上げよったんです!