MONTBLANC× The Chain Museum Vo.3 沼田 侑香 「Sampling Theorem」
リシュモンジャパン株式会社 モンブランとThe Chain Museumによる若手アーティストの作品展示の第3弾が開催させる。2020年4月からスタートした「MONTBLANC× The Chain Museum」の共同企画で、今回は初の個展形式。アーティストの沼田 侑香の個展「Sampling Theorem」を発表する。
沼田は1992年に生まれ。物心を持った時からネットが生活に欠かせない存在であるデジタルネイティブ世代と呼ばれる時代に生まれた。作品はパソコン上で加工されたイメージをインスタレーションや、絵画、などによって展開。インスタレーションの素材の一部でアイロンビーズという子供のおもちゃを使用したものがあり、アナログな表現方法を用いながらもコンピューターバグのような視覚的なズレを発生させる手法を用いることでデジタルなイメージを作品に取り込んでいる。モチーフには人間や、食べ物、街の風景やコンピュータ上のグラフィックなど日常に密接なモチーフを使用し、見る側の人々へ親近感や既視感を彷彿とさせる試みを行う。本展では、ショーウィンドウと店内にて作品の展示販売をおこなう。
本展タイトルの「Sampling Theorem(標本化定理)」とは、アナログ信号をデジタル信号へと変換する際に、どの程度の間隔で標本化(Sampling)するのがよいかを定量的に示す定理のことである。標本化された格子状の離散的データは「画素」あるいは「ピクセル」と呼ばれ、デジタル画像の最小単位となる。沼田は、この最終単位をイメージの根源的な要素として捉え、身体を通じたアプローチを加えた。
アーティストの手仕事によって浮かび上がるひとつひとつの要素は、わたしたちに不思議な鑑賞体験をもたらしてくれる。沼田が挑むのは、デジタルなものとリアルなものの境界の攪拌であり、二次元と三次元を往還するイメージの創出である。