The Choice is Yours
ウエアよりも道具の側面が強いシューズやバッグは、使い勝手ももちろん大切だ。だけど、そこに美学や思い出を込めるとそんな実用品は替えの効かない唯一無二の存在となる。センスの良いあの人たちの心が弾むのは、どんなアイテムに触れたときなのか。納得や共感とフレッシュな驚きで満ちた彼らの”選択”に誰よりクールな彼らの偏愛と情熱を見る。
Photo:Kengo Shimizu text:Rui Konno
ウエアよりも道具の側面が強いシューズやバッグは、使い勝手ももちろん大切だ。だけど、そこに美学や思い出を込めるとそんな実用品は替えの効かない唯一無二の存在となる。センスの良いあの人たちの心が弾むのは、どんなアイテムに触れたときなのか。納得や共感とフレッシュな驚きで満ちた彼らの”選択”に誰よりクールな彼らの偏愛と情熱を見る。
Photo:Kengo Shimizu text:Rui Konno
オオスミさんはいつ会ってもポジティブなヴァイブスで満ちている。そんな彼が、フレッシュなアイテムに出会ったとき、たびたび口にするのが「ウケる!」のひと言だ。きっとそれはスラングのようなもので、思いもしなかった斬新なアイデアや、革新的なアプローチに対する最大の賛辞なのだ。そして、彼にそんな驚きをもっともたくさん与えてくれるブランドのひとつが「CÉLINE」だ。「このブランドのシンプルでクレバーなところが、東京にも合っていると思います。特にメンズスニーカーはいつもベーシックで好き。この”AUTHENTIC”的なキャンバススニーカーはソールのカラーが綺麗ですよね。今ってストリートとモードの距離はすごく近いけど、やっぱりデザイン性においてはメゾンが牽引しているように感じています」。そしてもう一方はといえば、東京発の気鋭ブランド、「PHIRE WIRE」が手掛けたショルダーバッグ。ナイロン素材のボディを使った小ぶりな設計で、「Pioneer DJ」とのコラボレーションというのもミュージックフリークのオオスミさんらしいセレクトだ。「これはデザイナーでありマイメンのKIRIからいただきました。デザインに機能性、質感も好き。このコラボも彼らしいなぁ」。このブランドの魅力を尋ねると、「音楽とファッションが共有するエナジーを表現している貴重な存在だから」と彼は即答する。昔と変わらず根底にヒップホップ精神を持ち続けるオオスミさんは、今日も新たな驚きを求めてディグを続けるのだろう。「何これ、ウケる!」。そう言って笑うオオスミさん。きっとその新鮮な驚きこそが、彼のポジティブさの源泉なのだと、思えてならない。
「CÉLINE」のスニーカー
シンプルなヴァルカナイズド製法で作られる、上質なキャンバスシューズ。ヒールにはブランドロゴを刻んだパッチを配している。「デザイナー交代については、寂しさと期待が戦っています」
「PHIRE WIRE × Pioneer DJ」のショルダーバッグ
シンプルなボディに、刺しゅうで配したグラフィックが映える一品。自身もDJとして活動するKIRIさんの音楽への愛を感じさせる。「今、KIRIと一緒にやってる新プロジェクトが進行中です」とオオスミさん
Profile:2012年、吉井雄一さんとともに「MISTER GENTLEMAN」をスタート。青山の旗艦店に続き、3月には上海にショップをオープン予定。また3月の東京ファッションウィークでは2年ぶりのランウェイショーを行うとのこと。
※本ページは『warp MAGAZINE JAPAN』2018年4号に掲載された情報を再編集したものです。