ヤングガンが語った音楽と”JORDAN”のコト HIYADAM The Respective Flight ~HIYADAM~

バスケットボールプレイヤーと言う枠を超えたアメリカのカルチャーを象徴する存在として、世界中からリスペクトを集めるマイケル・ジョーダン。大舞台でのクラッチシューターぶりやMLBへの転向、2度のスリーピート、そしてチーム経営への進出など、彼のキャリアを彩る綺羅星のごとき伝説の数々は飽くなき挑戦の歴史でもあり、それに対する尊敬の現れとして彼のシグネチャーを愛用する人も多い。今回はそんな中でもとりわけ支持者の多いHIP-HOPシーンで活躍する2人のアーティストに、今年30周年を迎えた”AIR JORDAN 3”を履いてもらい、”伝説の男”のマインドと深いところでリンクする自身の活動などについて語ってもらった。第2回は『第3回高校生RAP選手権』の優勝でシーンに彗星のごとく現れ、最近はアーティスト・モデルなどとしてワールドワイドな活躍を見せるHIYADAM。

Photo:Shun Komiyama
Styling:Tomoya Yagi
interview:Showgo Komatsu

―――2014年のミニアルバム『5561』以降、精力的に音源をリリースしていますね。それは意識しているんですか?
HIYADAM(以下、H):それも少しありますけど、曲を作っていく中でリリースするタイミングはあんまり考えていなくて。溜まったら出すってスタンスです。

―――それが年1のペースにハマっているんですね。
H:すぐにリリースしないと、もっといい曲つくれるんじゃないかって思っちゃって出さなくなるんですよね。

―――コンスタントにリリースするモチベーションとなるものはありますか?
H:音楽を作ることが楽しくて自然なことなのでコレといってないかもしれないです。いいビートを聴くとリリックを書きたくなるんですよね。札幌のREFUGEE CAMPに所属しているトラックメイカーの2人から基本的にビートをもらっていますが、それ以外にもいろんな人からビートを送っていただけるようになって、気に入ったビートと出会うとその場ですぐに作ります。

―――リリックはすぐに完成するんですね。
H:リリック書くのめちゃくちゃ早いほうだと思います。30分くらいで書いてすぐにレコーディングすることもありますよ。ってか、ほとんどそれかもしれないです。例えば「ミニアルバムを作りたいな」って思い付くじゃないですか? スタジオが空いていれば1〜2週間で完成しちゃうので、いいビートとスタジオがあればいくらでも作れます。だから製作期間は短いんですよね。

―――それはすごい! その短期間で完成する中で、特に重要視しているポイントはありますか?
H:以前は言葉を伝えたいっていう気持ちが大きかったんですけど、最近はノリを大事にしています。"HIP-HOPは元々ダンスミュージックだから、踊れなきゃHIP-HOPじゃない"ってU.S.のHIP-HOPドキュメンタリーで言っているラッパーがいて、確かにそうだなって思いまして。もちろん言葉にこだわりますが、それ以上にフロウを大事にしています。

―――ラップのキャリアをスタートした当時と現在で、ラッパーとしてのスタンスは変わりましたか?
H:海外のラッパーと共演する機会が増えて視野が広がりました。昔は国内のことしか考えていませんでしたが、今はチャンスがあればいくらでも海外に発信できる。日本向けに曲を作っているって意識はまったくありません。

―――だから言葉よりもフロウに比重を置いているのかもしれないですね。昨年リリースしたEPでは中国のHigher brothersに所属しているMASIWEIを客演に迎え、昨年末にはニューヨークのMIYACHIとジョイント曲を発表して。そのワールドワイドなクロスオーバーに世界へ向けた挑戦を感じます。
H:MIYACHIとの曲『Bukkake』は、みんなでスタジオに入って一緒に製作したんですけど、海外の人が聴いてもおもしろいものをコンセプトに掲げました。そこで"ぶっかけ"って日本語が世界中で通じるって話になって、そのテーマになったんですよ。MIYACHIも「"ぶっかけ"ヤバい」って気に入って(笑)。

―――なるほど(笑)。ビートも海外でウケるものが選択基準になるんですか?
H:そうですね。僕はそのつもりで選んでいます。時期によって気になるラッパーっていますよね? そういうラッパーを意識して自分も新しいことをやっていくようにしていて。

―――ちなみに最近気になっているラッパーは誰ですか?
H:Madein TYOからはめちゃくちゃ影響受けています。トラップのビートでシャウトするようにラップをする人が多いですけど、僕の声質には合わないな思っていて。でもMadein TYOはユルい声とユルいラップでビートに乗るじゃないですか? それがカッコいいんですよね。

―――ラッパーとして大事にしているモットーはありますか?
H:やっぱり服装は気にしています。楽曲以外で個性を出したいと思いますし、ファッションに気を遣うのも人前に立つラッパーとしてのマナーかと思います。

―――モデルとしての活動もされていますよね。
H:モデルをやっていると普段着ないような服を着ることもあるじゃないですか? その中でも、ブランドの世界観を壊さない程度に少しでも自分らしく着こなすようにしています。例えば、僕はストリートファッションが好きなので、可能な範囲で着崩してみたり、表情はいつも通りユルくしてみたり。

―――『5561』のジャケットからもわかるように、スニーカーが好きなんですね。スニーカーを好きになったキッカケは?
H:HIP-HOPが好きなのでU.S.のラッパーの着こなしを見ていたら自然と好きになっていきました。

―――そしてそのジャケットは、すべてナイキのものでした。
H:ナイキのバッシュが好きで。特に”AIR JORDAN”を集めていました。余談ですけど1歳の頃の写真を見ると、”AIR JORDAN 12”を履いているんですよ。僕が生まれた年にリリースされたモデルで、お母さんとお揃いで履いていて(笑)。

―――”AIR JORDAN”の英才教育(笑)。そして今回は”AIR JORDAN 3”を履いていただきました。
H:中学生の頃にはじめて買った”AIR JORDAN”がコレなんですよ。親がクリスマスプレゼントを買ってくれるってことでナイキストアに行ったら、ちょうどその日が発売日で運良く買えました。

―――運命的なタイミングですね。
H:それはレトロなのでヒールのロゴはジャンプマンでしたが、このモデルはオリジナルだからヒールがナイキ エアのロゴっていうのもカッコいいと思います。でも、レトロもオリジナルも問わず、シリーズで一番好きなのがAIR JORDAN 3。

―――それではマイケル・ジョーダンはどういう存在ですか?
H:バスケが好きなので、もちろん知っています。でも、マイケル・ジョーダンが好きだからAIR JORDANが好きっていうわけではないんですよね。”AIR JORDAN”を知っていく上でマイケル・ジョーダンの試合を観ていった感じです。正直世代が違うので、マイケル・ジョーダンはプレイよりも”AIR JORDAN”のファッション性から入りました。

―――”AIR JORDAN 3”がリリースから今年で30周年です。そんな”AIR JORDAN”のように世代を超えて愛されるような曲を残すためには、今どうするべきだと考えますか?
H:いろいろとチャレンジしていきたいですね。例えば、俳優とかでもなんでもいいので。芯がラッパーだから、いろんなことをやって結局音楽に返ってくればいいと思っています。あとは自分の曲がカッコいいと信じて製作し続けることですね。

JORDAN BRANDのパーカ 9500円(NIKE カスタマーサービス)、JieDaのフーディー 5万3000円、ベスト 2万8000円(KIKUNOBU TOKYO)、Sasquatchfabrix.のパンツ 2万8000円(NUBIAN UENO)、価格はすべて税抜き表記になります。

AIR JORDAN 3 RETRO OG 2万2000円(+税)

スニーカー界のゴッドファーザーと呼ぶべき伝説のデザイナー、ティンカー・ハットフィールドと、”バスケットボールの神様”マイケル・ジョーダンが初めてタッグを組み作り上げた”AIR JORDAN 3”。多忙な2人がミーティングを重ね作り上げた同モデルは、当時画期的だったビジブルエアや3/4カットを採用し、ジョーダンの新たなプレイスタイルに対応することでバスケットボールシューズの既成概念を破壊。また、デザイン面ではアイコニックな”ジャンプマン”と”エレファント柄”が初めて登場したことで今日に至るシリーズの基礎が構築され、その先進的スタイルはシーンを超え挑戦と成功の象徴として受け入れられていく。

▼詳しくは、
NIKE カスタマーサービス
☎0120・6453・77
NIKE.COM/JORDAN




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住所:渋谷区代官山町3-3ソミュール代官山102
☎03・6455・0535

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