P.A.M. (PERKS AND MINI) Spring/Summer 2020 “X-PERIENCE”
“You will end up dying of comfort.”「君は快適さに溺れるのが落ちだ」 ― 1968年フランス5月革命のグラフィティより
困難な社会規範に向け、遊び心に満ちたクリエイティブな反抗と分断を持ってP.A.M. (Perks and Mini) が鼓舞するのは停滞ではなくX-perience。X-perience 2020の世界観とは: 偽物ではなく自然、時代遅れではなくリアル、無思慮ではなく問い掛け。快適さとは、もちろんアクティブな衣服のためではあるが過度な注意深さと配慮で生活を甘やかすためのものではない。個人的自由や人生にかかる虹そして価値を制限する奇妙な憧れのライフスタイルにうわべだけの快適さ、そしてステータス・シンボルの向こう側を見よ。サイケなカエルは手入れの行き届いた通りにも、コンピュータが生成した住宅に実在の住人たちのいる安全な生活圏には存在しない。殺菌され自然人工どちらの脅威にもさらされず、財産を盗まれることも損なわれる危険もないこの空間は、現代生活のラグジュアリーな罠を楽しむことで怠惰な物語に耽けさせることとなる。それどころか、良い暮らしとは現実からも自然からも分断されておらず、退屈な傾向にある。今こそ、より熟考された生活を、自然との調和で愛でるべきではないだろうか。
地球における多様性は畏怖の念を抱かせる。あらゆるものを取り込め。電話を置き、セルフィー・スティックは捨てトライフルを踏み付けよ。社会的道徳観は引っくり返し、礼儀正しさを保ちながらコーヒーを熱烈さの元に持ち帰れ。乱雑な不条理とストリート・ライフを称えよ。自然界は整頓されてもいない、予想がつかない、区分化されておらず、常に完璧ではない。日常にそれを根付かせよ。危険さも不便さも含めた野生のすべてを自然として受け入れよ。地球における生命は相互連結しており驚くべきものである。人類は他の生体とDNAを共有している。自然そしてそれを超える冒険において安全な社会的公正概念を排除することは至福の共存と超越的なエクスタシーの領域へと導いてくれる。P.A.M. (Perks and Mini) はこれをEcstacyと呼ぶ。
「最高に魅力的」でラグジュアリーな生活のコンピュータ生成画像(CGI)の背景幕に対峙し、X-perience SS20コレクションは代替物語を査定する。疑似世界における奇妙な憧れのライフスタイルのイメージと監視が、P.A.M. (Perks and Mini)の望む、自然な世界における不揃いなストリートや地上の喜びというリアリティと衝突する。ヴァーチャルCGIにはデイジー、サイケなカエル、グラフィティ、スカルプチャー、ストリート・ライフのイメージが散りばめられている。P.A.M. (Perks and Mini)はFreshly Painted Jersey Skirt(ペイントしたてのジャージ・スカート)やウェット・セメント染めなど新たな製造工程にも取り組み、複雑な質感の不均一なペイント面を創り出している。Bufo alvarius(ソノラ砂漠のヒキガエル)のレオパード・プリントはカエルの皮膚のデジタル化から生まれ、それに触れた誰しもの人生観を変えるだろう。良い暮らしを乗り切るためのWarped Record Hat(反ったレコード・ハット)はアクティブ・ユーズに最適。座れば座るほど押し潰され、より味が出る。X-perience SS20はヴェラ・ヒティロヴァ監督の愉快で反抗的な映画「ひなぎく」をインスピレーション源としている。このコレクションは人々に奇妙な憧れのライフスタイルや、期待、制限を捨て去り、この地球上の当たり前のインターネット以前のオフラインの、息をのむような生活を大いに楽しむことを提案しているのである。