色、 質感、 生地をコラージュしたポール・スミス2020年春夏コレクションは、 ポールの70年代アメリカ、 ニューヨークのダウンタウンへの旅にインスピレーションを受けている。

 

70年代ニューヨークを訪れたポールは、 ソーホーエリアで芽吹いていたアートシーンの活気とエネルギーを目の当たりにしました。 当時、 OK Harris、 Pace、 Leo Castelliのようなギャラリーは、 アッパーイーストサイドで存在感を示していた主流派から外れ、 喧騒に溢れるダウンタウンエリアに進出しました。 街の若いアートコミュニティーは、 倉庫のようなスタジオで画材屋のPearl PaintやCanal Streetを埋め尽くしていたハードウェアショップから調達できる素材を利用して創作活動を行い、 自由な創造性を発揮している。

 

コレクションはポールがかつてニューヨークで知り合ったクリエイティブな人々のワードローブがインスピレーション源となっています。 当時のアーティストたちは、 オーバーオールの代わりにテーラードスーツ、 オーバーサイズのジャケットやカスタマイズしたコットンシャツなど、 日常にあるアイテムに工夫を加え作り上げた自身のスタイルを通して自己表現していました。 当時のアーティストたちの自由な着こなしは、 キャットウォークに反映されている。

 

テーラリングは70年代のノスタルジアを超えて進化し、 デザインには機能や実用性が考慮されています。 スーツは柔らかく着心地の良い仕立てで、 オーバーサイズ気味のフィット、 長めの着丈、 大きめのラペル、 深い股上が特徴的です。 さりげない質感や柄の素材はコレクションに奥行きを与えています。 メンズとウィメンズ共に、 ダブルフェイスのキルテッドシルクがショートパンツなどに用いられているほか、 ウィメンズのコットンテーラリングにはマットな、 メンズのテクニカルなテーラリング素材にはシャイニーなピンストライプ柄が登場します。