LIFESTYLE
This Month Theme スーパーボーダーマンに必要な考え方
2005年から始めたカウチサーフ(※1)生活を通じて、世界のスケーター、スノーボーダー、サーファーなどのアスリートと旅や生活をともにし、日々いろいろなことを習って生きてきた僕が、過去12年間の経験の中で最終的に気付いた1番大切なこと。それが自分のカラダのメンテナンスを考えることだった。
ジョギングしたり、ジムに行ってみたりと健康に気をつけてたつもりだったのだが、もっとも大切なことをまったく知らなかった自分に気付かされたのは、道中で出会ったいろいろな人たちのカラダに対する意識によってだった。
いわゆる”横ノリ”において、究極のスキルを持つマスターたち、例えば”スノーボードの神様”として知られ、天性の身体能力を持って産まれたテリエ・ハーコンセンは、誰よりも健康意識が高くその能力を保つことに優れている。世界中のサーファーからリスペクトを集める69歳のジェリー・ロペスは、ときには忍者のように雪山を滑り誰よりも長く海にい続ける。圧倒的な存在感を放つサーファーのロブ・マチャドは、母親がベジタリアンで新鮮な野菜が中心のプラントベースダイエットで育ってきた。彼らのようなスーパーボーダーたちに習うことはライディングだけでなく日常生活にもたくさんある。
運動して健康な気分になるのは爽快だし、他にもいい効果があると思うが、それが本当にカラダにいいのかというと、それは何を食べてそれをしているのかで良くも悪くもなる。運動は、いい食事をしてそれを有効に消化するために必要になる。悪い燃料を入れれば、運動が逆にカラダに負担をかけることになったりもする。いい食事と運動両方があって初めて健康なカラダを求められることを教わったのだった。
どんなに速くて高性能な車でも質の悪いガソリンを入れてエンジンオイルを変えなければ調子が出ないし、寿命も短いだろう。今まで当たり前だと思っていた自分のカラダの存在や機能と健康が”奇跡”だったり”ギフト”だと考えられるようになったとき、カラダのメンテナンスや燃料となる食事のクオリティを考えられるようになった。
僕は東京のど真ん中でスケートボードをしながら育って、スノーボードに興味を持って雪山の自然に魅了され、水が嫌いで泳げなかったのに今ではサーフィンを始めて3年が経つ。世界中の行きたいと思ったところに行って、会いたい人に会いにいって、やってみたいことをするというレベルで旅をしていたときは、なんでも食べてたし、今のみんなのように何もカラダのことを考えないで食べるモノを気分で決めていた。ところが今までやったことがなかったことに挑戦したくなったり、”できなかったことをできるように”したくなったときに身も心も最大限の自分でいたいと考えるようになったのが自分の健康意識の着火剤となったのだ。世界を旅して行ったことある国を増やす、「世界をこの目で見た!」という世界を広げるのではなく、不得意だと思っていたこと、自分には無理だと諦めてきたようなことを挑戦することによって進化する自分の中にある世界を広げることが楽しくなってきた。そのときに自分のカラダをより理解すれば、そのぶん世界を理解できることに気付いた。
自分が愛することのために日常の中でできることを考えて練習よりコンディショニングを重視する。カラダのチューンナップをしてスペックを上げて、抜群の燃料でカラダ本来の機能を呼び起こす。疲れ、アレルギー、不安定な気分、重たいカラダ、生活習慣病のような問題からカラダを解放して、好きなことに集中できるカラダを作ることができたらどれだけ幸せなことか。そんな意識をインスパイアしたくこの連載がある。
究極のスキルを持つマスターたちに習ったことや自分が道中で出会ったストーリー、アスリートたちの話や食事について、カラダのメンテナンス&使い方、リラックス、ライディング、マインドバランス、エコロジーなど様々なテーマを交えながら皆様のこれからの人生に革命が起きるきっかけになれたら幸いだと思う。
(※1)カウチサーフィンとは人の家に泊まりながら移動を続けて旅行を続けること
(注)ここで書かれていることはすべて体験によって培った自分の意見であり、科学的に証明させてないことや誤りがあるかもしれません。僕の個人的な考えとして読んでもらい、あなたのポジティブな変化のために役立ててもらえることを願ってますので、ご理解の上楽しんでくださいませ。
- リップジンガー profile
世界中を旅し、その場所で出会うヒト・モノ・コトを写真に収めるフォトグラファー。自身もスケーターとしてライディングを続け、常に”理想の滑り”を追求するボーダーマンだ。